AIエージェントに献立を任せ、好みも学習させた話

AIエージェントに献立を任せ、好みも学習させた話

献立は、毎週やってくる小さな締め切りです。

我が家では土曜の夜ごはんだけ私の担当で、金曜が近づくたびに「さて、今週は何を作ろうか」とふりだしへ戻っていました。

先週おいしかったメニューほど、二週間も経つと記憶からきれいに抜け落ちている

この「毎回ゼロから」を、いっそ仕組みにして手放したい。

そこで、好みも履歴もフォルダに貯めて学習させる形で、AIエージェントに献立を任せてみました。

毎回ゼロから考えるあの負担、あなたも仕組みで軽くできるとしたら気になりませんか。

前提:使っている道具はこれだけ

先に、この仕組みを支えている道具をひとつだけ説明させてください。

私が使っているのは Cowork という、パソコン上のフォルダを読み書きしながら作業を代行してくれる AI エージェントです。

この Cowork には、自分が指定した接続フォルダの中身を、直接読んだり書いたりできる特徴があります。

さらに、決まった手順を手動起動のスケジュールタスクとして登録しておける。

この二つさえ押さえれば、あとは献立という中身を流し込むだけ。

固有名詞の話はここで切り上げて、本題の「考え方」へ進みます。

「毎回チャットで聞く」をやめて、状態をフォルダに逃がす

この仕組みでいちばん伝えたいのは、実装の細かさではありません。

エージェントに定常タスクを任せるなら、状態は会話の外に置く

チャットのやり取りは、便利な反面おそろしく揮発しやすい。

先週どんなメニューを出したか、どの味付けが好評だったか、会話を閉じた瞬間にほとんど消えてしまう

だからこそ、覚えておいてほしい情報は会話ではなくファイルへ書き出しておく。

好みは Markdown、履歴は JSON に分ける

私は好みと学習メモを preferences.md に、集計用の履歴を history.json に分けて置きました。

人が読んで直したいのは前者、機械がひたすら数えたいのは後者。

役割を分けておくと、あとで学習ロジックを足すときに散らかりにくい。

提案の前にはこの二つを必ず読み込ませ、高評価だったメニューの傾向を引き継ぎつつ、直近に出したものは連続させない

フォルダ構成と、月曜から土曜までの流れ

考え方が汸まれば、置き場所と運用のテンポは自然と汸まってきます。

接続フォルダの中身は、ざっくりこんな分担。

  • README.md … 仕組みそのものの説明書
  • preferences.md … 好みと学習メモ(人が読んで直す)
  • history.json … 集計用の構造化データ(機械が数える)
  • _template.html … 各週レポートの雛形
  • history/YYYY-MM-DD.html … その週の提案そのもの

提案レポートは 外部依存のない単一 HTML で、history フォルダに日付名のまま積み上がっていく。

集計や学習に使う構造化データだけを、別ファイルの history.json に切り出しました。

{
  "schemaVersion": 1,
  "entries": [
    {
      "date": "2026-06-27",
      "status": "draft",
      "tags": ["和食", "取り分けOK"],
      "file": "history/2026-06-27.html"
    }
  ]
}

状態や日付、タグをこの JSON に持たせておくと、後から傾向を数えるのがぐっと楽になります。

状態を draft → confirmed → cooked で転がす

各レポートには、draft → confirmed → cooked という三段階の状態を持たせました。

月曜あたりに手動でタスクを起動し、その週の提案を draft として保存する。

平日の会話で少しずつ整え、金曜までに confirmed、作り終えたら感想を渡して cooked へ動かす。

HTML のルート要素に日付や状態、評価を属性として持たせておくと、後工程での書き換えが驚くほど楽になりました。

<html lang="ja"
      data-date="2026-06-27"
      data-status="draft"
      data-rating="">

状態をひとつ書き換えるだけで、その週の記録が履歴に積み上がっていく

取り分けと買い物リストまで、まとめて出す

提案の中身にも、我が家ならではの制約を最初から組み込みました。

メニューは主菜・副菜・汁物・主食の四点セットで、レシピ手順と買い物リストまで必ず添える

献立だけ決めても、結局スーパーで迷うのなら値打ちが半分になってしまう。

だから提案と買い物を切り離さず、ひとつのレポートで完結させています。

いちばん重い制約は「取り分け」

我が家には取り分けが必要な小さい子どもがいて、これがいちばん重い制約でした。

すべての提案で「大人用」と「取り分け(子ども用)」を必ず併記し、薄味・小さく・やわらかく、の三点で調整する

取り分けは大人の味付けをする前に取り分けるのが鉄則で、ここを外すと全部が台無し。

さらに毎回、はちみつ・生もの・喉に詰まりやすいもの・濃い味・刺激物といった NG 食材のチェックを強制しています。

人間なら「まあ大丈夫だろう」で流しがちな確認を、機械にだけは毎回きっちり回させる。

家庭の面倒な制約こそ、毎回きっちり実行してくれる相手に預ける価値が大きい

最後に

献立エージェントを回してみて、いちばんの収穫はレシピそのものではありませんでした。

会話の外に状態を持たせれば、エージェントは毎週かしこくなっていく

結局のところ、この一点に尽きます。

献立を給湯器のように自動化しきれたわけではなく、起動は今も手動のまま。

それでも、好みと履歴がファイルに積み上がっていくだけで、毎週の「ゼロから」は確実に軽くなりました。

同じ発想は、家計の記録でも読書メモでも、くり返す家事や作業ならどこにでも移植できる

まずは小さな定常タスクひとつ、フォルダへ状態を逃がすところから始めてみてください。

以上です。

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