今週(6/22〜6/28)の生成AIは、新しいモデルの発表が立て続けに飛び込んできた一週間でした。
OpenAIの新シリーズや国産モデルの正式版が出そろう一方で、米政府の規制で止まっていたAnthropicの最上位モデルにも動きがありました。
今週の核は「他社・国産モデルの新顔ラッシュと、停止中だったMythos 5の限定再開」です。
なお日曜(6/28)分の話題は、次回まとめて取り上げます。
先週(6/15〜6/21)は『Fable 5規制の余波と韓国での大型導入』が主役でした。流れを追うなら、前回のまとめからどうぞ。
Claude / Anthropic —— 本人確認とMythos 5の限定再開
6/12の米政府指示で全面停止していたサイバーセキュリティ特化モデル「Mythos 5」が、6/26〜27に重要インフラを守る約100組織へ防御目的での限定再開を許可されました。一方、消費者向け最上位の「Fable 5」は依然オフラインのままです。
Anthropicは、Slackで「@Claude」とメンションするだけでタスクを非同期に任せられるClaude Tagを6/23に発表しました。Enterprise/Team向けのベータで、社内ではプロダクトチームのコードの65%を内部版が生成していると公表しています。既存の「Claude in Slack」は8/3に置き換えられる予定です。
消費者向けClaudeでは、7/8から不正が疑われる一部アカウントに対し、政府発行IDやセルフィーでの本人確認を求めうるとTechCrunchが6/22に報じました。法人プラン(Team/Enterprise/API)は対象外とのこと。
さらにAnthropicは、Alibaba系のQwenラボに関連する運用者が約2.5万の不正アカウントで約2,880万回のやり取りを行い、Claudeの能力を不正に抽出(蒸留)しようとしたと米議会へ告発しました(報道は6/24)。
他社・国産モデル —— GPT-5.6 と日本勢の存在感
OpenAIが次世代のGPT-5.6シリーズ(Sol / Terra / Luna)を6/26にプレビュー発表しました。最上位Sol・中位Terra・最速最安Lunaという能力ティア制で、サイバー能力の高まりを受けた米政府との調整から、当面はAPIとCodex向けの限定提供にとどまります。
日本のSakana AIは、複数のフロンティアモデルを動的に束ねるオーケストレーション基盤「Sakana Fugu」を6/22に正式提供開始。1つのAPIで難易度に応じて最適なモデルを選ぶ方式で、上位のFugu Ultraは一部ベンチで最上位級に並ぶと主張しています。
Preferred Networksは、海外モデルに乗らない国産フルスクラッチの基盤モデルPLaMo 3.0 Primeを6/22に正式リリースしました。文脈長を256Kトークンへ拡張し、推論強化型と高速応答型の2系統を用意。データを国内に閉じたい業務にとって、現実的な選択肢になりそうです。
なお大手の単体モデルではGPT-5.6が中心で、GoogleのGemini 3.5 Proは今週も一般提供に至らず、月末(6/30前後)が当面の節目とみられています。
ツール・実践Tips —— Claude Code の地味だが効く更新
開発ツールのClaude Codeは、今週も小刻みに更新されました。注目は、サンドボックスから認証情報を読み取らせないsandbox.credentials(v2.1.187)、/clear前まで巻き戻せる/rewind拡張とストリーミングのCPU約37%(v2.1.191)、そしてhook/agentのmatcherが部分一致から厳密一致へ変わった点(v2.1.195)です。
ハイフン入りやカンマ区切りのmatcherを使っているチームは、更新後に発火条件が変わるため、一度実際に動くか確認しておくと安全でしょう。
業務活用・国内事例 —— 金融でのhuman-in-the-loop
Sakana AIのデイビッド・ハCEOは、三菱UFJ銀行との案件で、AIに融資の可否を判定させるのではなく、申込書類の要約や判断材料の下ごしらえという「人が判断する前段」を任せる設計だと語りました(6/26)。
規制の重い金融業務では、結論そのものではなく前工程を任せる切り分けが、当面の現実解になりそうです。
デスクトップ活用 —— こんな使い方をしている人も
最後に、他の方のデスクトップ活用から軽く2つ紹介します。1つ目は、Coworkを「相談相手」ではなくフォルダ単位で成果物を任せるエージェントとして捉える発想。input/ work/ output/ の3層を切り、「このフォルダ以外は触らない」といった境界条件を先に決めておく、という設計の型が語られています。
2つ目は、名刺画像53枚をフォルダごと渡し、並列OCRで90名超を会社名・役職まで整えたExcelに一発で起こした体験記です。大量の半構造データの構造化は、Coworkが特に効く用途のひとつだと感じます。
来週も、生成AIの主な動きを出典つきで迴いかけます。
以上です。


















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