私は暮らし・技術・ゲームなど複数カテゴリのブログ記事を、AIの定期タスク群で半自動的に生成しています。
それぞれのタスクが記事を書き、下書きとして投稿するところまでを受け持つ構成。
便利になった一方で、記事を並べて読み返すと書き手の声が一本に通っていない瞬間が出てきました。
暮らしの記事はやわらかいのに、技術記事だけがなぜか説教くさい。
原因をたどると、「筆者ペルソナをどこに書くか」という設計の甘さに行き当たったのです。
前提(最小限)
この記事の話に入るために、私の環境を最小限だけ説明します。
前提はふたつ。
ひとつ、複数のAIタスクがそれぞれ記事を書いて投稿するという多カテゴリの自動生成であること。
ふたつ、各タスクは共通の「文体ルールの正本ファイル」を読んでから書く、という一点だけ押さえれば十分です。
やっかいなことに、一部のタスクは読み取り専用の場所にあって、私が中身を直接編集できないという制約もありました。
以降はこの前提を繰り返さず、「正本ファイル」「各タスク」という一般的な言い方で進めます。
ペルソナが各所に散ると何が壊れるか
まず、なぜ散らばりがまずいのかという話。
着手前の私のペルソナ記述は、記事執筆タスク1本にインラインで1行あるだけでした。
具体的には「理知的なエンジニア×等身大の父親」という短い一文。
他のタスクはそれを知らず、別の共通ルールファイルだけを見て書いていました。
つまり定義が一か所にまとまらず、あちこちに小さく散っている状態だったわけです。
この形の何が怖いかというと、一か所直しても他へ伝わらず、記事ごとに声がずれていく点にあります。
しかもカテゴリごとに本来ほしい声は違うのに、みな同じ薄いトーンへ寄ってしまう。
声がぶれるのは書き手の気分のせいではなく、置き場所の設計そのものが原因。
共通ベース+カテゴリ差分という畳み方

散らばりを畳む発想が、共通の芯をひとつ作り、その上にカテゴリ差分を重ねるという二層構造でした。
一枚の土台に、カテゴリごとの薄い上書きシートを乗せるようなイメージです。
骨格だけ抜き出すと、次のような形。
## 筆者ペルソナ(SSOT)
### 共通ベース(全カテゴリ共通の芯)
- 一人称 / 読者との距離(教えるのでなく一緒に考える)
- 自己開示度(役割は出すが固有エピソードは出さない 等)
- 最優先の芯(衝突時はこれを優先:平易さ・誠実さ)
### カテゴリ差分(オーバーレイ)
- blog: 共通ベースをフル適用
- tech: 一段専門家寄り(出典厳格・平易さは維持)
- game: 同一人物のラフ版(口語化。芯だけ維持)
# 以下省略
「芯」に何を置くか
芯には、全カテゴリで絶対に変えないものだけを置きます。
具体的には一人称、読者との距離、そして衝突時に最優先する価値の三つ。
私はこの最優先を「平易さと誠実さ」に決めました。
ここを先に一本決めておくと、後で迷ったときの判断が驚くほど安定します。
ルールがぶつかったら平易さと誠実さを採る、と分かっているだけで、細かい表現の選択がぶれなくなるのです。
ゲームを別人格にしない理由
差分を作るとき、いちばん迷ったのがゲームカテゴリの扱いでした。
砕けたプレイヤー目線にしたくて、つい別人格を立てたくなります。
けれど別人格にすると、芯の「平易さと誠実さ」まで一緒に崩れてしまう。
そこでゲームは同一人物のラフ版と決めました。
口調はゆるめるけれど、芯は同じ人が書いている、という線を残す方針。
自己開示度を実例で決める
芯のうち、いちばん言葉で決めにくかったのが自己開示の度合いです。
「具体を出す」「役割は出すが抽象化する」「思考中心にする」の三択を、言葉で並べても決まりませんでした。
そこで同じ導入文をお題にして、三段階で実際に書き分けてみたのです。
お題は「集中の切り替えコスト」という、地味だけれど誰にでもある話。
三つを並べて見比べた瞬間、役割は出すが固有のエピソードは出さず一般化する案が即座に選ばれました。
抽象的な選択肢では動かなかった判断が、具体例を三つ見せるだけで一瞬で決まる、という発見。
参照の一元化と、編集できないファイルへの伝播
芯と差分が決まったら、次は「どこに置いて、どう配るか」です。
答えはシンプルで、正本を一ファイルに集めて各タスクはそこを読むだけにする、という一本化。
ここで効いてきたのが、執筆から下書き投稿までの5タスクを棚卸しした結果です。
どれも「可能なら正本ファイルを読んで従う」形になっていました。
だから正本を一か所充実させるだけで、各タスクを個別に触らなくても更新が伝わります。
実際、読み取り専用で私が直接いじれないタスクもありました。
それでも全タスクが正本を読むので、正本2ファイルを直すだけで5タスク中4タスクが自動で継承するという伝わり方。
ただし例外がひとつ残りました。
正本を読まず、自前でインラインの文体を抱えているタスク。
そこは伝播の穴になるので、棚卸しで名指しして洗い出す必要があります。
最後に
ここまで固有の仕組みの話をしてきましたが、持ち帰ってほしいのは環境に依らない一点です。
AIに複数カテゴリの記事を書かせて声がぶれるなら、まず疑うべきはプロンプトの言い回しではありません。
効くのは、ペルソナを各タスクに散らさず、共通ベースにカテゴリ差分を重ねた単一の正本へ集約し、各タスクにそこを参照させるという一手。
声を通すのは気合ではなく、定義をどこに一本化するかという構造で決まります。
そして迷ったときの最優先を先にひとつ決めておくと、この一本化はさらに強く効いてくれる。
私自身、同じ設計を次に組むならまず芯から決めよう、と考えています。
以上です。









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