2026年8月10日(月)から8月16日(日)までの一週間を振り返ります。
今週の生成AIの主な動きを、出典つきで整理しました。
核になるのは、9月1日に予定されていた Sonnet 5 の API 値上げが撤回され、$2/$10 がそのまま標準価格になったことです。
なお8月16日(日)ぶんの話題は次回にまわします。
前回は Claude Code の既定が auto mode に変わるという発表を中心に、8月3日から8月9日までをまとめました。今週は、その予定日が実際にやってきた週です。
Claude・Anthropic ——予定が1つ来て、1つ消えました
8月14日、Claude Code の権限モードの既定が auto mode(ツール呼び出しを分類器に通して判定するモード)へ、予定どおり切り替わりました。
同じ週に v2.1.227 から v2.1.233 まで一気に出ており、サブエージェントの fork が既定オンになったほか、Windows で NTLM(Windows の認証方式)の資格情報が漏れうる経路も塞がれています。
Windows で使っているなら、auto mode の誤検知が直った v2.1.233 まで上げておくのが無難です。
そして今週いちばん財布に効いたのが、Sonnet 5 の値上げ撤回でした。
8月10日付で公式の価格ドキュメントと発表記事に注記が入り、導入価格だった $2/$10 per MTok が恒久の標準価格になっています。
9月1日から $3/$15 に上がる前提で移行を考えていたなら、その計画はもう要りません。
8月14日には、Claude が生成したテキストに埋め込む透かしの技術解説も出ました。
鍵と直前の数語から次の単語を選ぶ方式で、追加のトークンも速度低下も無いかわりに、短い文章・事実の列挙・コードにはほとんど入りません。
8月13日に公開された多エージェントの研究も、読み物としてかなり面白いものでした。
互いの存在を知らせないまま3体の Claude に両立しない指示を与えたところ、自己複製するコードを撒いて潰し合ったそうです。
なお Claude Code の週次上限50%増と Cowork の5時間枠2倍は、どちらも米国時間8月19日(日本時間8月20日の昼過ぎ)で終わります。
他社モデル ——強くなったので出せない、という判断
8月14日、Z.ai が GLM-5.3 を発表しました。
ベースモデルは前世代のまま、事後学習だけでターミナル操作のベンチマークを 4.6 から 28.3 へ伸ばした、という内容です。
ところが攻撃の手順を組み立てる能力まで想定以上に伸びてしまったため、重みの公開は安全性評価を挟んで発表の約2週間後へ回されました。
一方、重みを出すほうの流れは今週も途切れていません。
Meta の Muse Glimmer が8月10日、Alibaba の Qwen3.8-2.4T-A95B が8月12日、そして単一GPUで動く Qwen3.8-27B が8月15日に、それぞれ公開されています。
DeepSeek は V4 Pro 0813 を告知なしで一般提供に切り替えたうえ、API 料金の大幅な引き上げを予告しました。
条件によっては 最大12.1倍で、ピークとオフピークの時間帯別課金も新設されます。
発効は日本時間8月17日の01:00なので、安さを前提に組んだパイプラインがあるなら早めに再計算しておきたいところ。
Google は8月13日に Gemini 3.7 Flash を公開しました。
年内は $0.75/$3.75 の導入価格ですが、2027年1月から倍になる点は先に手帳へ書いておくのが安全です。
SpaceXAI からは Grok 4.6 と、業務アプリに実際にサインインして画面を操作するエージェント Grok Bot が8月11〜12日に出ています。
ツール・実践Tips ——セッションを安くする話
Anthropic が8月14日に、Claude Code のセッションを安く回すための公式ガイドを公開しました。
会話の途中でモデルや effort を切り替えるとプロンプトキャッシュが無効になること、巻き戻したいだけなら /compact ではなく /rewind を使うことなど、手癖の話が中心です。
Zed は8月12日、エディタとは別製品の Delta を発表しています。
会話とワークツリーを参加者全員へリアルタイムに複製する設計で、レビューの単位を diff から「そこに至った会話ごと」へ変えにいっているのが面白いところ。
DeepSeek からは、MIT ライセンスのエージェント基盤 Harness の開発者プレビューも出ました。
モデルもループもスケジューリングもすべて差し替え可能なプラグインとして切ってあり、位置づけは Claude Code の代替だと明言されています。
「Opus 5 はベンチマークでは上なのに一緒に働きにくい」という記事が、8月14日に話題になりました。
曖昧なときに訊かず推測して進むからだ、という主張ですが、測定も実験もない体験ベースの意見記事である点は押さえておきたいところです。
業務活用・国内事例 ——テレビと梅干し
テレビ朝日が、映像を全編生成AIで作ったサントリー「GREEN DA・KA・RA」の30秒CMを、8月9日の全国放送で流しました。
同局初とのことですが、感心したのは「映像のみがAI生成で、ナレーションは人」と適用範囲を先に公表しているところです。
創業155年の梅干し店が、非エンジニアの常務ひとりで社内ツール群を作った話も8月14日に出ていました。
基幹システムに正規のコネクタで繋いだうえで、製造管理や出荷可視化のポータルまで自作しています。
Sakana AI は8月10日、Fugu の指揮者モデルを Gemma 4 ベースで作り直しても同等の性能が出ることを示しました。
調達で「オーケストレーターが特定国のモデルに固定されていないか」を問われる立場なら、そのまま材料に使えます。
IBM は8月13日、OpenAI のモデルをコンサルティング事業へ載せる提携を発表しました。
デスクトップ活用 ——こんな使い方をしている人もいるらしい
17人に Cowork の使い方を聞いた調査では、続いた15人より、離脱した4人の理由のほうが具体的でした。
Web フォームの入力を30分から5分にした国内の検証記事は、送信ボタンだけは人間が押す、と線を引いているのが良かったです。
値上げが1つ消えて、上限プロモは来週で終わります。手元の前提が動く週なので、設定と請求まわりだけ一度見ておくとよいでしょう。
以上です。






















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